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ペルソナ4、主花に関する覚書。 小説。小話等をupしていきます。 細々と、のんびりと。since2009.7.26
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過去SSまとめ中。

※実際の誕生日は陽介ががんもどきの説明を受ける日なので、パラレルです。
※誕生日仕様で無駄に甘いです。

*********************************************************



「陽介、ケーキ好き?」
「ん?好きだよ。」

「チョコっぽいのとクリームっぽいのだとどっちがいい?」
「んー…。どっちも捨てがたいけど、今の気分はクリームかな…甘さ抑え目なヤツ。」

「イチゴは好きだったよな。…ブルーベリー、ジューンベリー、ラズベリー。
ベリー系でまとめるか。」



「すげー、ホントお前何でも作れるのな。」


「勢いだけどな。」と笑って相棒は。俺の目の前で、見事な手つきで生クリームを泡立てて行く。
勢いだけじゃなくね?けっこー職人芸だってソレ。


出来合いのだけど、チョコレートのスポンジ。
桜桃のかんづめ。
ジュネスのフルーツコーナーで買い込んだベリーの数々。

器用に働く。相棒の長くて綺麗な指に見惚れている間に、
小ぢんまりとした可愛いベリーケーキが出来上がっていた。


「すげっ…。美味そう!」
「陽介のだから、ホールのままフォークで行ってイイぞ。俺もつつくけど。」
「マジでー!いっぺんやってみたかったんだよな…!」
「あ、ちょっとまった。これ忘れてた。」

言って取り出したのは”HappyBirthday”の文字と、
ファンシーなウサギの絵がプリントされたチョコプレートだった。
お湯であっためたデコペンで、これまた見事に俺の名前を書く。


「まったえらくかわいいなー。」
ケーキの真ん中へんに、俺の名前の入ったプレート。
しかもひらがなで。”くん”づけで。

珍しく悪戯っぽく笑ったなと思ったら、不意に手を取られて握られた。
手のひらを合わせて、ぎゅっと。

「誕生日おめでとう。陽介。」
ちょ、このつなぎ方…なんか恥ずかしいんですけど…!
顔がかあっと一瞬で熱くなったのが判った。
「さ、さんきゅ…。」
思わず視線が泳ぐ。


「プレゼントは特に用意できてないんだけど。」
「ばっか、充分すぎんだろ…」

ちょっと目線をあげたら。こっちを見ていた相棒と目が合った。
軽く手を引かれて、そのままぶつかるみたいに唇を合わせる。


わ、甘ぁ…。
そっか、クリーム味見しながら混ぜてたっけ。
俺好みの、あっさり目の甘さ。

ぼんやりそんな事を考えてたら、隙間から舌を挿し込まれた。
呼吸を奪われて、握っていた手に思わず力が篭る。
ゆっくり、クリームの味を味わうみたいにゆっくりと
舌が唇の内側や舌先や歯の裏をさぐる。
暫くそうやって、舌が痺れるまでキスして離れて。
閉じてた目をそうっと開いたら、相棒がこちらを覗き込んでた。




いつも慌しく過ぎてく日々が、今日はなんだか緩やかに感じる。
気付けば降りだしてた雨までもが、時間の感覚を奪っていく。



行儀悪くホールのケーキにフォークを突き刺す。
甘酸っぱいベリーとやさしい甘さのクリーム。
しっとりチョコスポンジと、そこにサンドされた桜桃も。
全てが俺好み。


ハタから見たら、すげー恥ずかしいよ俺ら。
ケーキ食べながら、さっきからキスばっかしてる。
クセになりそうな、甘ったるいキス。



今日がずっと終わらなければいいのに。
そんな事を考えながら…。





Endless END
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